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9-4. 有価証券の決算整理

今節では、有価証券の決算整理を見ていきます。

有価証券にも決算整理仕訳が必要です。ただし、固定資産と違い有価証券は使うとかありませんから減価償却はしません。しかし、株式市場や債券市場があって時価がはっきりとわかりますし、また、その気になればその価格でいつでも売れます。逆に言うといつでも売れる代わりにその時の市場価格でしか売れません。そして、簿記3級で扱うのは、売買目的有価証券という純粋な金儲けのために持っている有価証券であり、売却に一切しがらみのない有価証券でした。

したがって、1,000円で買った有価証券が期末日現在、時価が500円になったとき、貸借対照表で1,000円と表示していのかという問題があります。まあ、常識に考えていいわけないですね。

つまり、買った時の金額で帳簿には載っていますが、これを期末時点の時価に直す必要があります。もちろん値下がりしている場合もあれば値上がりしている場合もあります。
なお、市場での価格は毎日というより、毎分毎秒で変化していますが、その都度仕訳を切るのは不可能なので、せめて期末日にはしましょうというルールになっています。つまり、決算整理仕訳として計上します。したがって、この場合の時価は決算日の株式市場の終値(取引所が閉まった時の価格)です。

早速仕訳を見てみましょう。
例1 期中に1,000円で買った有価証券の期末の時価は1,200円だった
9-4-1

もう、ここら辺まで来るとあまり解説はいらないかと思います。値上がりしているわけですから、借方売買目的有価証券(資産の増加)で、貸方はその理由として有価証券評価益(収益)です。

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例2 期中に1000円で買った有価証券の期末の時価は800円だった。

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値上がりしている場合と逆なだけです。

なお、簿記3級で扱うのは売買目的有価証券という売買目的で保有している有価証券であり、だからこそ期末で時価評価をするというのは一般常識として覚えておいて下さい。支配目的や資本提携目的で持っている株式なんかは、時価が上がったところで売るに売れないですから、時価で評価してもしょうがないんじゃないかというのが簿記2級の有価証券の議論のスタートです。

念のため補足しますが、有価証券評価損(益)と有価証券売却損(益)は全く違いますからね。期末に何の取引もないのに貸借対照表に売買目的有価証券の時価を載せるために決算整理仕訳として登場するのが有価証券評価損(益)で、実際に売却した時に計上されるのが有価証券売却損(益)です。しかし、いろんな考えが認められるのが簿記の特徴でもあり、売却と評価で分けて何の意味があるのかという意見の少数派もいて、その人達は有価証券運用損(益)という勘定を使います。決算整理の評価損益も売却損益も同じ一つの勘定科目で処理します(厳密には損と益の2つ)。売ろうが持っているものが値上がりしようが、全ては有価証券の運用の結果であって分ける意味がないという考え方です。少数意見ですが、試験で出るかも知れないので頭の片隅に入れておいて下さい。

以上が、売買目的有価証券の決算整理仕訳です。ここは簡単ですから、試験で絶対に間違えないようにして下さい。

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