ここでは固定資産を説明します。まあ、何となくイメージできるかとは思いますが、土地、建物、備品、車両のことです。
ちなみに簿記3級の範囲は有形固定資産です。有形というと無形固定資産があるのかと思う方もいると思いますが、あります。ソフトウェアとか特許権とかです。資産価値はあるんだけど目には見えないというものです。これらはなんだか知りませんが2級の範囲となっており、3級の範囲外なのでここでは説明しません。目に見えないから何か難しいとか、目に見えないから仕訳が違うとかは一切ないのですけどね。
固定資産とは何か
固定資産とは何かといわれると、これは利用目的の資産です。なんで固定資産かというと別にどこかに固定されているという意味ではなくて、買った以上は何年間にわたって使用するという意味で、使用が固定されているから固定資産です。もちろん、固定資産であっても売却することは可能ですが、一度買った自動車や建物をすぐ売却するというのは通常考えられませんから、固定資産と呼ばれます。つまり売却目的で買ったものではなくて、何年にもわたって使う予定で買った資産が固定資産です。
ちなみに、不動産屋が土地とか建物を仕入れたら何でしょうか?答えは商品です。固定資産ではありません。住んだりして使用するために勝ったわけではなく、売るために買ったものはビルであれ何であれ商品です(勘定科目で言うと仕入)。結果的に売れ残って何年もに渡って自分で持っていても固定資産ではありません。あまりに売れないので売るのをあきらめて事務所として自分が利用し始めれば、その時点で簿記上商品から固定資産に変わります。
固定資産の期中処理
仕訳のポイントは有価証券と同じで、買った時にかかる手数料に注意する。ただそれだけです。有価証券の時と違い固定資産は土地とか車両とかなので、いろんな手数料がかかります。仲介手数料、登記料、登録免許税、引取手数料等試験でもいろいろ出てきますが、全て有形固定資産の勘定科目で処理します。つまり全て込みの合計金額で仕訳を切ります。
例1 建物を2,000円で購入し、引取手数料500円と合わせて小切手で払った。
借方建物の金額2,500円です。2,000円ではありません。したがって、下記の仕訳は間違いです。
例2 自動車を1,000円で購入し、小切手で支払い、同時に手数料100円は現金で支払った。
これも、借方車両の金額は1,100円なので注意してください。
この後、本当は固定資産の売却処理を説明したいのですが、これは決算整理仕訳を理解しないと説明できないので、後の講義で説明します。